コラム

  • HOME >
  • コラム  >
  • 保育所に通い始めたときになぜ感染症になりやすいのか

保育所に通い始めたときになぜ感染症になりやすいのか

日本列島全域でだいぶ暖かさが増し、
上着が必要なくなるこの時期、
保育園に通い始める方も多いのではないでしょうか。

初めての集団生活に入っていく子どもにおいて、
心配なのが感染症ですよね。
今までは接する人が限られていたものが、保育園に通い始めてから人とのかかわりが一気に増えます。
それに伴い、風邪を移し、移されという状態がしばらく続きます。
ある意味、保育園における洗礼ですね。

かといっても、病気になる子どもを看るのはつらいものです。
そもそも、保育園に通い始めのときはなぜ感染症になりやすいのか。
その理由について、厚生労働省が「保育所における感染症対策ガイドライン」というものを出しています。

そこからの抜粋ですが、
保育所における乳幼児の生活と行動の特徴として

・集団での午睡(お昼寝)や食事、遊び等では子ども同士が濃厚に接触することが多いため、飛沫感染(せきやくしゃみ、会話をしたときに、病原体が含まれた唾液などの小さな水滴を吸い込むことで感染すること)や接触感染(病原体に直接触れることで感染すること)が生じやすい
・床をハイハイしたり、手に触れるものを何でも舐めるといった行動上の特徴がある
・自分で正しいマスクの着用、適切な手洗いの実施、物品の衛生的な取り扱いなどの基本的な衛生対策が十分にできない

ことが挙げられます。

また、乳児の生理的特性として、

感染症にかかりやすい
生後数か月以降、母親から胎盤を通して受け取っていた免疫が減少し始める
呼吸困難になりやすい
成人と比べると、鼻道や後鼻孔が細く、気道も細いため、風邪等で粘膜が少し腫れるだけでも息苦しくなってしまう
脱水をおこしやすい
乳児は成人と比べると、体の中を水分が占めている割合が多く、1日に必要とする体重当たりの水分量も多い。そのため、熱や吐き下しによって体の水分を失ったり、咳や鼻水でミルクが飲めなかったりすることで脱水になりやすい

という特徴があります。

感染を防ぐことも大事ですが、
100%防ぐのは不可能ですし、子どもたちは病気を繰り返して強くなっていくものなので、
一つ病気になって、一つ大きくなっているんだなと、大らかな目で見ていきましょう。