コラム

インフルエンザの薬

インフルエンザが猛威を奮っており、蔓延しやすい季節となってきました。
筆者も年始早々インフルエンザA型にかかってしまいました。
年始の休み期間だったので、休日診療所に2時間待って診察を受けました。
熱はすぐ下がったものの、5日間たっぷり倦怠感がつづき、まったく仕事ができず、身の回りのこともままならない状態でした。

さて、今回はそのインフルエンザにかかった際に処方される薬について記載いたします。

現在処方されている主なインフルエンザ治療薬は以下の通りです。

吸入薬:
・リレンザ:1日2回、5日間
・イナビル:1回のみ

経口薬:
・タミフル:1日2回、5日間
・ゾフルーザ:1回のみ

点滴薬:
・ラピアクタ:1回のみ

今年から保険適用となったゾフルーザが一気に有名になりましたが、
多くの小児科では従来のタミフルを処方されることが多いと思います。

吸入薬が使えない理由:
子どもは「吸う」動作より「吹く」動作のほうが慣れているので、吸入薬は(練習していたとしても)間違えて吹いてしまう可能性がある。
吸入薬の粉末が肺に入ったときに、むせてしまい、すべて出てしまう。
吸入薬を吸い込んで、しばらく息を止めておかないといけないが、それが不十分となりやすい。

1回で済む薬が使えない理由:
インフルエンザの症状として「咳(せき)」があるので、薬を飲みこんだとしても、せき込んで吐いてしまう可能性がある。
薬が嫌いで、無理やり飲ませてもほとんど吐き出してしまう可能性がある。

もしこれらの状態が起きた時に、
再度同じものを処方することはできません。
また、吸入薬を失敗したあとに経口薬に変更するということはできません。
(失敗したとしても、ごく少量体に入っている以上、他の薬を処方することができない)

なので、タミフルのように、
たとえ1回失敗したり吐き出したとしても、トータル10回に分散されているので、
次以降に成功すれば、ある程度の効果が期待できるので、
小児科ではタミフルを処方されることが多いのです。
しかし、各薬が特に年齢制限をしているわけではないので、
各病院・クリニック単位で吸入薬の処方を検討する年齢を「小学生以降」や「10歳以降」などと設定しているようです。
吸入薬が使えるかどうかは、
お子様のキャラクターを考えたうえで医師・薬剤師とよく相談して処方してもらいましょう。