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血友病の親族がいるお母さんは注意が必要

ある研究において、血友病の親族がいる女性が出産する際に、生まれてくる子どもが脳出血をするリスクが高いことが報告されていました。

血友病とは、血を止めてくれる「凝固因子」という成分が生まれつき無い遺伝性の病気で、
ほとんどが男の子に発症します。
女の子にも発症する可能性はあるんですが、多くは発症せずにキャリア(発症はしないけれどもその遺伝子は持っている状態のこと)として過ごすことになります。

血友病の親族がいる女性で、「自分は血友病にならなかったからもう大丈夫」と思っている人も多いらしいのですが、
その女性から生まれてくる子が男の子の場合、
血友病が発症する可能性があるのです。

血友病のように血液を止めてくれる凝固因子がなかった場合、
狭い産道を通る出産時に頭の中で出血してしまって、その血が止まらずに重症化してしまうリスクが高いのです。

この論文の中では、キャリアであることが確定する女性を、
・血友病の父親を持つ女性
・血友病の子どもを2人以上出産した女性
・血友病の子どもを1人出産し、かつ母方家系に血友病患者がいる女性

としています。

そしてキャリアであると推定される女性を、
・血友病の子どもを1人出産したが、家系内には他に血友病患者がいない女性
・血友病の子どもの出産歴はないが、母方家系に血友病患者がいる女性
・血友病の子どもの出産歴はないが、兄弟に血友病患者がいる女性

としています。

もしこれらに当てはまる場合には、
出産する際に産院・病院に一言伝えておきましょう。
伝えておくことで、出産時に脳出血に対する処置の準備をしておくことができます。

[1]  塩田 勉, 他. 血友病保因者における周産期管理の課題. 日本周産期・新生児医学会雑誌 2016; 52(1): 71-75.