コラム

新型コロナウイルスについて

更新が滞っておりもうしわけありません。
先日子どもが産まれまして、我が家は大変にぎわっております。
一方、世間は毎日のように新型コロナウイルスに関するニュースで持ち切りの状態ですね。
新型コロナウイルスの検査をしてほしい人の1割程度しか検査してもらえてないという状況
という統計が出されており、心配な人も多いのではないでしょうか。

そもそも、コロナウイルスとは:
発熱や上気道症状(せきや鼻水など)を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類あることが分かっています。
そのうちの2つは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)が有名で、これらは重症化する原因ウイルスとして指定感染症に指定されています。
この指定感染症とは、感染が拡大することで国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めたものです。
残り4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)を占めます。
そのため、「コロナウイルス」自体は今までも存在している一般的な風邪の原因ウイルスだったわけです。
今回あらたに、新型コロナウイルスが発見され、感染力や重症化の傾向についてはまだ明確にされていませんが、
MARSやSERSと同様の指定感染症に指定されることとなりました。
「指定された=重症だ」、ではなく、医療施設側が入院措置を取れることや、検査結果を役所に届け出ることが義務化されるといった、
医療側の対応の明確化になります。
(これがあるおかげで国は新型コロナウイルスの感染状況を把握しやすくなる)

なぜ検査をしないといけないのか:
新型コロナウイルスは指定感染症に指定されたため、
その発症数を役所に届け出る必要があります。
従って、医療施設は疑わしい人を検査しているわけです。
医療者は不必要な検査はしません。
(逆に、必要と判断した場合は必ず言います)
今回の新型コロナウイルスは、特化した治療はありません。
そのため、検査して陽性だろうが陰性だろうが対応は一緒です。
現在の統計としては、
検査してもらいたい人が千人いて、そのうち医者が必要だと判断した1割(百人)に検査して、実際に陽性だった人は1人いるかいないか程度です。
もし、検査してもらいたい人を片っ端から検査していると、医療施設は逼迫してしまい適切な医療は受けられなくなります。
新型コロナウイルスかどうかはわからないが、何かしら具合が悪い人は外出を避けて自宅療養する」ということが大原則になります。
検査しても治りません。
医療者は新型コロナウイルスであろうがなかろうが重症な場合は適切な処置をします。
逆に、軽症な人が医療を逼迫してしまうことで重症な人に手をかけることができなくなります。
その理解をもってもらうことが現在最も求められることかもしれません。

どうやってうつるのか:
今のところ感染経路は以下の2つです。
(1)飛沫感染(ひまつかんせん)
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いるとき
その飛沫する距離は1~2mといわれています。(つまり2~3m離れていれば大丈夫)

(2)接触感染(せっしょくかんせん)
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付きます。他者がその物を触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。
※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

そのため、向かい合う近い場所で・一定時間・複数の人と交流するという、3つの条件が合う場所(会議・飲み会など)は感染拡大のリスクになってしまいます。

どんなときに感染を疑うのか:
そもそも、感染と発症は異なります。
感染していても発症していなければ症状は出ません(これを不顕性感染と言います)。
また、潜伏期間と呼ばれる、「感染してから発症するまでの期間」もあります(新型コロナウイルスは1~14日といわれています)。
まとめると、熱もないし咳もない、いたって元気な人でも、検査してみると新型コロナウイルスに感染しているという状況は多いにあり得ます。
(そのため、ダイヤモンドプリンセス号の乗客が14日間拘束されたんですね。)

厚生労働省は以下のような症状が現れたときが感染の可能性があるものとして帰国者・接触者相談センターもしくは医療施設に問い合わせることとしています。
・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

(各都道府県の帰国者・接触者相談センターの電話番号はこちら

どうやって対策すればいいのか:
マスクが非常に手に入りにくい状況になっておりますが、
ウイルスはマスクの網目よりも非常に小さいため、一般的なマスクでは感染は防げません。
しかし、咳やくしゃみをしたときにウイルスが飛び散るのを最小限にすることはできます。
したがって、マスクをつける一番の目的は、
「自分が感染しているかもしれないから、他の人にうつさないように」

ということです。マスクをしていれば防げるわけではありません。
(マスクをすることで、口や鼻を触る機会が減るという意味では接触感染の多少の意味があるかもしれませんが・・)
しかし国として、感染をこれ以上増やさない心掛けを国民全体が持ってもらうよう働きかける状況があり、
マスクをしましょうとされているのです。
厚生労働省のHPでは、以下のような動画も配信されています。

マスクの着用の仕方:

また、接触感染は「触れる」ということが経路になっているので、
手洗いが基本です。
医療用語として、標準的予防対策(スタンダードプリコーション)という言葉があり、
何かするごとに衛生的手洗いおよび手指消毒をしていきましょうという考え方です。
衛生的手洗いは以下の動画を参考にしましょう。

子どもへの対策:
新型コロナウイルスは子どもには重症化しないといわれていますが、
もともと何かしら病気を持っている子どもの場合だとその限りではない可能性があります。
しかも、学校は向かい合う近い場所で・一定時間・複数の人と交流するという3つの条件を満たしていることから、
非常に感染拡大が広がりやすい場所です。
2歳以降になると手洗いができるようになります(デンバーの運動発達より)。
そのため、2歳以降の子どもにも衛生的手洗いの方法を伝え、大人と一緒に手洗いの習慣をつけることが先決です。
また、マスクをつけさせて感染拡大を防ぐことと、何か具合が悪い時は学校(保育園)を休むということが必要です(多くの学校・園でもその対応がなされています)。
2歳以下の子どもを持つ家庭では、大人が「一処置、一手洗い」を心掛けることで大人から子どもへの接触感染は防げます。

なお、今回の記事については、まだ情報更新状態にありまして、日々、感染情報次第で変更・修正される可能性があり、
また医療者・関係各者の見解も個々で異なる状況にあります。
提携施設の方々、またこの記事をご覧の医療関係者の方々、本件に関するご意見等様々な情報の提供をお願いします。
お問い合わせ先はこちら
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引用先:
厚生労働省:新型コロナウイルスについて

厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&A

日本感染症学会:新型コロナウイルス感染症/a>

北海道大学病院感染対策マニュアル第6版