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子どもはお母さんからの免疫があるから病気にかからない??

子どもが病気になって小児科に受診に来る保護者さんの中には、
「子どもは親から免疫を受け取ってるから6ヶ月までは病気にかからないって聞いたことがあるのに」
「母乳にはお母さんの免疫がたっぷり含まれてるからがんばって飲ませてたのに」
と、言われることがあります。

どの意見も正しいは正しいのですが・・ではなぜ子どもは病気になるのでしょう。
下の図を見てください。

こちらは医師や看護師、助産師の国家試験にもよく出題するくらい大変有名な図です。
この図のうち、出生からすでに高い位置にあって出生直後に下がっている線(‐‐‐‐)がありますよね。
これがいわゆる「お母さんから受け取る免疫(IgG)」です。
この免疫は出生直後6ヶ月程度で半分ほどに減ってしまいます。
一方、10歳になるまでゆっくりと上昇している線(・‐・‐・‐)、これが「母乳(特に初乳)によく含まれている免疫(IgA)」です。
なので初乳は特に飲ませたほうが赤ちゃんも免疫を獲得することができるんですね。

どの種類の免疫も万能ではなく、それぞれに対抗する菌が異なるので、
お母さんから受け取る免疫がある出生時期でも何かに感染する可能性は大いにあります。
(ただし、抵抗力や体力が弱いために急激に悪くなることもありますので6ヶ月未満の子どもは早めの受診が薦められています)

子どもは感染して、病気になって、そして一つ一つ免疫を獲得して丈夫になっていくわけです。
鼻水が出たり、熱が出たりと、我が子の苦しい姿は辛いですが、
乗り越えて良くなったときには、ひとつ成長したことを喜びましょう。