子どもの胃は、大人と比べて吐きやすい形状をしています。そのため、ゲップのはずみや抱っこした拍子、泣きすぎたりしたときに吐くことがありますが、その一時的だけですむものは生理的なものなので問題ありません。
しかし、連続して吐くようであれば注意が必要になります。特に冬場の、ロタウイルスやノロウイルスがはやる時期には急性胃腸炎の最初の症状なので、複数回吐いていたり、顔色や機嫌が悪いときには病院で受診しましょう。
また、咳がひどい場合にも、咳き込んで吐くことがあります。病院で受診するときには急に吐きだしたのか、咳き込んで吐いていたのかを先生に伝えましょう。
1口の周りをきれいに拭く
吐いたあとは子どもも気持ちが悪いはずです。口の周りについた吐物(吐いたもの)は濡らしたティッシュなどで拭き取りましょう。アゴの下やワキ、ヒジなどが拭き残しやすいところなのでチェックしましょう。
2吐いたもので汚れた服やシーツなどを変える
吐いたものが服やシーツについていると子どもも気持ち悪いですし、他の家族の方も症状がうつってしまう可能性があります。すぐに交換しましょう。
3洗面器、バケツ、ゴミ箱などの器にビニール袋をかぶせて吐いた時に備える
子どもは前ぶれなく急に吐くことがあります。そんな吐き気に備えて、洗面器など器になっているものにビニール袋をかぶせ、子どものすぐ近くに置いて備えましょう。
4布団やタオルを使ってすこし上体を上げる・または縦抱っこをする
水が入っているコップを横にすると水が流れていくように、吐き気のある子どもが横になると余計気持ち悪くなります。家にある布団やタオルを使って、すこし上半身が上がる状態にしましょう。またはしばらく縦抱きで抱っこしたり、座らせたりしましょう。
5寝かせる場合は顔を横に向ける
吐き気がすこしおさまったようなら横に寝かせてあげましょう。そのとき、仰向けに寝た状態で吐いてしまうと、吐いたもので窒息する危険があります。寝かせるときは顔が横になるように向けて寝かせましょう。
6(吐き気が収まった時)水分補給をする
吐くと身体の水分が失われるので、水分補給が必要になります。しかし、「飲み物を欲しがる」イコール「吐き気が治まった」ではないので、欲しがるからといって一気に飲んでしまうとすぐに吐いてしまいます。
吐かなくなって30分ほど経ってから、スプーン1杯の麦茶・イオン水などを10~15分おきに与えてみましょう。
スプーン1杯を3~4回繰り返し、飲ませても吐かないようなら小さなコップやおちょこなどで一口ずつ飲ませます。
飲んだ量が1時間で100mlほど飲めたら脱水はひとまず大丈夫です。
症状が強いときにはより吸収の良い経口補水液も有効です。
経口補水液の作り方はこちら(経口補水液のレシピ)の記事を参考にしてください。
7吐いた物の処理の仕方
特にノロウイルスやロタウイルスはとても感染力が強い上に、アルコールは効きません。唯一効くものが『次亜塩素酸ナトリウム』になります。この成分は衣料用漂白剤(ハイターなど)に含まれています。(ちなみに、ワイドハイターには含まれていませんので注意してください。)吐いたものの正しい処理をしておけば、家族も感染してしまう危険性を減らすことが出来ます。
床の場合
- 1手袋をする
- 2ペーパータオルで、外側から内側に向けて吐いたものを拭き取る
- 3次亜塩素酸ナトリウム入りの衣料用漂白剤(ハイターなど)を水で1000倍にうすめたものをつくる
(500mlペットボトルにキャップ1杯のハイターを入れて、水を混ぜる) - 4ペーパータオルに染み込ませて拭く
- 5再度、染み込ませたペーパータオルで広範囲に10分間置いておき、拭き取る
- 6最後に水拭きする
- 7拭き取りに使ったものは全てビニール袋に入れて捨てる
- 8洗濯物は一緒に洗わず、手洗いし、漂白剤で付け洗い
服の場合
- 吐いたものが付いていても付いていなくても、一度着せた服は、家族の方の洗濯物と一緒に洗うことは避け、個別に手洗いしましょう。
衣料用漂白剤は色落ちしますので、吐き気のある子に着せる服は白っぽい服がいいでしょう。